自己破産できたからこそ今の幸せがある

4月から通い始めた職業訓練学校は、まだ開校して1年足らずの新しい学校だ。仕事を探している人がより確実に仕事に就けるよう、職業技術を勉強できる学校なので、いわゆる学生さんの世代の生徒はおらず、私のような中年、中には45歳以上の人も居る。この学校では無料でかなり高度な内容の職業訓練、教育を受けられる上、通っている間の生活費まで国から支給してもらえる。本当にありがたい弱者のための制度だと思う。


この学校に通うことになったのは家族がたまたま募集要項を見つけてきてくれたからだが、その前に自分が、昨年自己破産できたからこそ今の幸せがある。周りに流されるまま消費者金融からお金を借り、自分の銀行口座とサラ金のATMの区別すらつかなくなり、気が付いた時にはもう自分でどうにかなる金額ではなくなっていた。金融会社からの督促の電話に怯え、取り立ての人が怖くて家にも帰れなくなった。家族にも随分迷惑をかけた。もう死んでしまおう、そう思った時、自己破産という言葉をどこかで見かけたのだ。


家族に付き添われ専門家の門をたたき、なんとか自己破産することができた時は、それまでの恐怖と後悔、先に見えた一筋の光が自分の頭の中を走馬灯のように駆け巡り、自然と涙が流れたことを覚えている。自己破産手続きが済むと嘘のように取り立ての電話がなくなり、やっと落ち着き先のことを考えることができるようになったのだ。


職業訓練学校で一生懸命仕事を学び、就職するのに役立つ資格、就職後に役立つ技術を身に着けたら、今度こそ本当に、地に足を付けた真面目な生活をするつもりだ。そしていつか、借金をして今まで迷惑をかけた人たちにお詫びをしたいと思っている。